中学生が起立性調節障害(OD)を発症して通学が難しくなり、不登校になるのはよくあります。
日本小児心身医学会の発表によると、起立性調節障害の有病率は中学生の約10%、重症は約1%です。不登校の約3-4割にODを併存しています。
中学生が起立性調節障害を発症し、不登校になるのはよくあります。日常生活に支障のない軽症例なら2~3カ月で改善しますが、不登校になってしまうくらいの重症だと改善まで2~3年かかるため、全日制高校に入学しても中途退学になってしまうケースが多いです。
通信制高校は、起立性調節障害のかたにとって通いやすく卒業しやすいです。全日制高校のように学校指定の時間割がなく、起立性調節障害に理解がある先生も多いからです。
通信制高校は起立性調節障害のかたが卒業しやすい理由
通信制高校は自分のペースでコツコツ勉強していけば卒業できます。
- レポート提出が中心でテストに受かれば単位が取れる
- 出席日数は重視されない
- 宿題がなくて比較的のんびりしている
- 74単位取れれば卒業できる
- 起立性調節障害の生徒がたくさん在籍しているので学校の理解もある
レポートの本数は週1~2本くらい、スクーリングは学校のコースによって異なり、週1日~週5日とさまざまです。
通信制高校に3年通って74単位取得して卒業するかたもいますが、高卒認定試験を受けて単位を取得するかたも多いです。制度が柔軟なので、卒業までの道のりが複数あり、あなたに合ったやりかたで高校卒業を目指せます。
全日制高校だと卒業の難易度が高い
起立性調節障害は『日常の活動時間が朝方の人よりも5~6時間後ろにずれている(夜型になる)』特徴があります。午前中の体調不良が多いので、無理して登校したけれど体育の授業に参加して症状を悪化させてしまうケースが多いです。
「夜更かししているから起きられないのでは?」と誤解されることも多く、高校でも不登校になってしまい、1年時の3月に中退する方がいます。
起立性調節障害に理解のある学校ならよいのですが、起立性調節障害の生徒が少ない(先生が起立性調節障害のことを知らない)学校も多く、不登校から復帰しにくいです。
起立性調節障害が中学校を不登校になってしまうほど重症だと改善まで2~3年かかることがあります。朝方生活が前提で出席日数を重視する全日制高校は、どうしても卒業までの条件に無理があるわけです。
それでも全日制に行きたい時はどうするか
こう思っているなら、まずは全日制を第一目標にするのをお勧めします。症状が改善すれば全日制高校にも通える可能性がでてきますし、なによりも行きたい学校に行けるのが一番だからです。
もし中退しても、2年時から通信制高校に転入して高校卒業できますし、高卒認定試験を受けて高校3年時の冬の大学受験もできます。